奈良県明日香村 石舞台古墳
奈良県明日香村を代表する古墳の一つ、石舞台古墳です。
手塚治虫のアニメ、火の鳥ヤマト編に登場する古墳としても知られています。
埋葬者は近くに庭園を所有していた事から、蘇我馬子と言う説が有力ですが詳しい事はまだ分かっていません。
日本最大級の横穴式石室で岩の総重量は、約2300トンもあります。
特に天井を作る為に乗せた大きな石(天井石)は約77トンもあり、当時の運搬技術の高さを物語っています。
横穴式石室とは、古墳の横から羨道と呼ばれる通路を通って、お棺を納める部屋(玄室)へ行ける様にした石造りのお墓の事です。
玄室と羨道に水が溜まると、中から入り口まで続く溝から排水出来る様工夫が施されています。
排水溝から中に入っていくというルートがメインのようですが、なぜ、古墳に排水溝が必要なのでしょうか?
古墳といえばお墓なわけですから、生活排水が流れてくるわけではありません。
どうやら、雨水を排水するために作られたようです。
埋葬された遺体が腐食しないように、という目的と考えられています。
亡くなった方への想いも感じられますが、腐食の原因が水だということはいつからわかっていたんでしょうかね。
歴史的な遺跡、知れば知るほどにもっと知りたくなってしまいます。
石舞台古墳と名付けられた理由は、露出している天井の岩が舞台の様に見える事からだそうです。
女に化けた狐が舞った話や、旅芸人が石の上で演じたという伝説があるそうですが、その由来は明らかになっていません。
春には満開の桜と、咲き乱れる菜の花を見る事が出来ます。
桜の開花時期は夜間ライトアップされ、様々なイベントが開催されます。
当時の世界に迷い込んだような幻想的な雰囲気の中、演劇やジャズライブ等も楽しめます。