遺跡・古墳をめぐる旅

日本中にある、遺跡や古墳などをめぐって地図上で旅をしていきます。

謎多き時代から活用されている水漏れの技術と、それを防ぐ方法とは。

奈良県桜井市箸中にある箸墓(はしはか)古墳は、全長約276mの前方後円墳です。
日本最古の古墳である箸墓古墳は、卑弥呼の墓と言われています。


卑弥呼と言えば、神のお告げを聞いて邪馬台国を治めていた謎多き人物です。


日本には卑弥呼に関する文献が残っておらず、唯一「魏志倭人伝」という中国の歴史書にのみ記述があります。
しかし、不完全な情報が多く卑弥呼の治めていた邪馬台国も、実はどこにあるのか分かっていないそうで、更に謎は深まるばかりです。

その頃の古墳時代は、土器を作り食材の保存や、煮炊きに使用していました。
土器は釉薬(ゆうやく)を塗らずに焼き固める、素焼きの方法で作られていました。

 

素焼きで作られた器は、表面に無数の穴が開いて水を入れておくと、表面の穴から少しずつ水が漏れ、染み出していきます。
染み出た水が蒸発する際に、器の温度が下がり、中の水も冷やされるので、食材の保存等にも使われていました。

中の物を冷やす目的では有効活用される土器の穴ですが、煮炊きをする時はどうしていたのでしょうか。
煮ると水漏れして、中の水分が減ったり、気化熱で冷えてしまうのではないかと不思議に思いませんか?

 実は、素焼きの器は遠赤外線を放射する成分が含まれているので、気化熱で冷える事もなく美味しく調理する事が出来るのです。

さらに古代の人は、土器の内側を光るまで貝殻で磨く事により、内側の気密性を高め水漏れしない様工夫していたそうです。

 

煮炊きをする位大きな土器を、水漏れしない様になるまで小さな貝殻で磨き上げて行くのは、とても根気のいる作業でしょう。


しかし、土器が作られ煮炊きが出来ると、より多くの栄養を摂取できる機会を増やせる様になるので、どんなに苦労してでも作ったのではないかと思います。

 

気化熱の仕組みは、今でも電気を使わないエコな冷蔵庫としてアフリカなどで使われています。
素焼きの器でワインを冷やす、おしゃれなワインクーラーまでありました。

土鍋でご飯を炊くとふっくら美味しく炊き上がるのは、素焼きの器の遠赤外線の力が利用されています。

1500年以上前の知恵が、現代でも活用出来る事に驚きました。
まだまだ謎が多い古代ですが、謎が多いからこそ引き付けられてしまうのでしょうか。